コクヨの性別欄無しの履歴書~バックグラウンドチェック
先月でしょうか、コクヨから性別欄なしの履歴書発売方針と発表されました。
性別欄をめぐっては、生まれた時の体の性別と異なる性で生きる「トランスジェンダー」の人がカミングアウトを強いられるなどの問題があります。
それらの悩みを受けたNPO法人が約1万1千筆の署名をコクヨに渡して申し立てた事を受け止めての方針との事でした。
履歴書等のトップメーカーであるコクヨの、時代の変化に応じた弱者に優しい姿勢は素晴らしいと思います。
そして、トランスジェンダーの人たちの悩みを深く理解できていない私が、今件についてどうこう言う事はできません。
しかし!
今まで、当たり前に記されていたものがなくなり、当然ながら記されていない履歴書が提出された真意を考えると面接でも聞けなくなるのです。
男女で採用の差をつけてはいけないとは言うものの、採用後に社会保険等に加入する等、男女別を記さないといけない手続きがあるのは事実です。
そうなると最終面接後の「採用調査(バックグラウンドチェック、リファレンスチェック)で確認して」という依頼が来るだろう事は推測できます。
氏名や写真では男女の別が見分けられなくなっているのは今に始まった事ではありません。
採用前の調査時点では、履歴書記載の氏名が本名である保証もありません。
調査時に、前職でなんと聞けば良いのでしょうか。
決して差別的な意識で問うのではない事を如何に理解してもらえば良いのでしょうか。
時代の流れに沿って、調査員の悩みは益々深くなっていくばかりです。