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働き方改革が既に崩壊しつつある~バックグラウンドチェック

中途採用のバックグラウンドチェック(リファレンスチェック、採用調査)で、対象者の前職での退職理由を知り、その会社の苦しい実態までも明らかになる事があります。
企業経営をする立場としては、前職企業に同情をする事もあります。

前職の退職理由が、「当初の勤務条件と次第に異なり始め、働き方改革に反する企業だと判明したから」というものがありました。
対象者が入社した頃には、働き方改革に対応した企業であり、毎日19時半には消灯し全員が帰社していました。
ですが、先輩社員はパソコンを持ち帰り、自宅で残業していることもありました。
それも、最初は企業側がある一定時間以降にパソコンを利用している社員に注意をする、といったほどにきっちりとした改革状況でした。
ただ、次第に仕事が滞り始め、従業員の間から「残業をさせてくれ」といった声が漏れ始めました。
元々、終電まで残業をする社員が半数ほど居た会社であり、時間だけを制限しても、社員の採用が追いつかず、仕事をこなす事が不可能だった様です。
人手が足りない分の人手を補充する余裕は同企業にはありません。
結果、改革前の状態に戻り、終電までの残業や休日出勤、自宅残業も企業は見て見ぬふりをし始め、対象者は自分だけが定時に帰宅する訳にはいかなくなりました。
改革に対応した企業だと思い入社した対象者は「条件が約束と違う」と退職に至りました。
対象者の言い分に100%問題はありません。

ですが、殆どの企業では、近年の人手不足の中、御上からのお達し通りに法律を守っても、業務をこなせないのが実態です。
これからどうしていくのか、窓口担当者も頭を悩ませていました。