無期雇用転換と問題点~バックグラウンドチェック
5年以上勤続した非正規労働者が、自らの申し出により、有期契約から無期契約に更改できるといった無期雇用転換制度。
企業側にとっては、同労働者のモチベーションアップや定着率の向上などのメリットがあります。
労働者側にとっては、コロナ禍で多数聞かれた「雇い止め」の防止につながり、安心感が高まるメリットがあります。
ですが、デメリットも多数あります。
企業側は、有期雇用により従業員数の調整ができなくなる為、リスクを避ける為、無期雇用となる手前(4年以下など)で契約更新をしなくなる。
労働者側の自由度が減り、正社員と同レベルの責任を負わされる雰囲気となる。
同一労働同一賃金、といった視点からも、条件設定が難しくなる。
などです。
「長年に亘り契約更新をして在籍していた契約社員が、無期雇用契約とした途端に退職を申し出る」といったケースが、バックグラウンドチェック(採用調査mリファレンスチェック)においても、よく聞かれます。
それらの退職理由は
「頭では理解をしているが、正社員との待遇の違いにイヤになった」
「どうせ期間を長く居るのなら、もっと条件の良い企業に移りたい」
「やはり自分は束縛されるのは苦手なので、有期雇用が向いている」
「雇用更新時の緊張感がなくなったので、仕事に対するモチベーションが下がった」
「給与などの条件面も上がると思ったが、期間のみの相違なのでバカらしくなった」
といったものが目立ちます。
どういった制度にも長短ありますが、企業も労働者も直ぐに飛びつくのではなく、それぞれの向き不向きを考えた上で受け入れるべきだと考えます。