企業信用調査とは、企業の財務状況や経営体制、取引状況、代表取締役を含めた風評などを多角的に調査・分析し、調査対象企業の信用度を評価するものです。取引開始前の与信判断や、継続取引のリスク管理の一環としてだけではなく、出資先企業やM&Aの相手先、事業承継時等、企業信用調査は幅広い場面で用いられています。企業活動において「信用」は言うまでもなく極めて重要な要素であり、ビジネスにおける意思決定の精度やスピード、とりわけリスク管理において、信用度の継続的な把握があらゆるケースで大きく役に立ちます。とりわけ現在のように情報が氾濫する社会においては、信頼できる第三者による客観的な評価こそが、真の信用度を測る手段となり得るのです。
自己評価がいくら高くても、他人からの評価が低ければ、その実質的な価値は限定的と考えられます。これは個人においても企業においても同様であり、周囲からの信頼や評価があってこそ、社会的な信用や存在価値が確立されるのです。たとえば、受験生が模擬試験を受けるのは、単に学力を確認するためだけではなく、自分自身の現在の実力を他者と比較して客観的に知るための手段です。スポーツ選手がコーチを付けるのも同様に、第三者の視点を通じて、自分の技術や課題を客観視し、成長に繋げるためです。
企業もまた、自己評価だけでは正しい姿を外部に伝えることはできません。企業が自社のウェブサイトや広告、SNSなどを通じて華々しい実績や理念を発信していたとしても、それはあくまで自らの視点による「自己表現」に過ぎず、信憑性や客観性に欠ける場合があります。これらの情報は企業の魅力を伝える手段ではありますが、それが即ち信用力の証明となるわけではありません。逆に詐欺師の様に、嘘を隠すために表面のみ繕っている場合も多いのです。
また、調査対象企業へ直接取材を行い、そのヒアリングした情報を元に調査対象企業の信用度を評価する調査会社もあります。しかし、対象企業が自社に不利な情報を積極的に開示するとは限らず、むしろ自社に都合の良い情報だけが強調される傾向があるため、その評価はどうしても主観的になりがちです。つまり、こうした調査方法もまた、広義の「自己評価」の延長線上にあると捉えることができるのではないでしょうか。
そこで重要になるのが、第三者の視点による「外部評価」です。当社の企業信用調査では、調査対象企業の取引先や関係者、競合企業、業界関係者など、対象企業と日常的に接点を持つ周囲の声を取材により丁寧に拾い上げることで、より客観的かつ信頼性の高い情報を収集しています。こうした「聞き込み調査」は、表面的な数値や公表情報では掴めない、実際の取引現場での評判や対応姿勢、トラブルの有無、支払いの正確さなどを把握する上で極めて有効です。加えて、暴力団等の様にデータ上には表れない半グレなどのグレーゾーンの反社会的勢力との関与を掴むためにも、効果的なのです。
たとえば、財務諸表上では健全に見える企業でも、取引先から「支払いが遅れがち」「担当者の対応が不誠実」「製品に瑕疵が多い」といった評価が出ていれば、その企業との取引には注意が必要です。逆に、数値には表れていなくても、納期は必ず守ってくれる、アフターフォローが充実している、どの営業担当者も人柄が良い、などといった誠実な対応によって高い信頼を得ている企業であれば、それは大きなプラス材料となります。つまり、信用とは単なる数値ではなく「他者からどう見られているか」というリアルな評価の積み重ねなのです。財務諸表上の数値は、上場企業であっても粉飾決算が後を絶たない様に、いくらでも自社に都合の良いものに変えられるのです。
このように、当社が実施する企業信用調査は、調査対象企業をより深く、正確に理解するための手段であり、取引の可否判断やリスク管理における重要な基盤となります。㈱中央情報センターは、単なるデータ収集にとどまらず、「現場のリアルな声」に耳を傾け、調査対象企業の実像に迫ることを重視しています。それにより、クライアントの皆さまにはより信頼性の高い判断材料をご提供できると確信しております。
企業間取引において「信頼できるかどうか」は最も重要な判断基準のひとつです。見かけだけではなく、実際の信用力を見極めるためには、確かな方法論と経験に基づいた客観的な調査が不可欠だと言えます。ぜひ、大切な取引判断に、企業信用調査(反社会的勢力関与調査)をご活用いただければ幸いです。