調査員ブログ

半グレやトクリュウの実態と企業に求められる反社チェックの重要性

近年は、従来型の暴力団とは異なる反社会的勢力が増え、「半グレ」と呼ばれる集団による事件が相次いで報道されています。

半グレは、指定暴力団と異なり組織の実態が見えにくく、一般人と区別がつきにくい場合もあり、知らず知らずのうちに関係を持ってしまう可能性があります。そのような経営リスクを回避するには、取引開始前や従業員の採用選考時に、反社チェック(反社会勢力関与調査)や採用調査(バックグラウンドチェック)等の調査を行う事を推奨します。
半グレという言葉は、「暴力団とは距離を置く暴走族OB」を指すものとして広まりました。しかし現在では、その活動形態や構成員も様変わりしています。2010年4月の暴力団排除条例の施行後、指定暴力団の活動が制限される中で、新たな資金源や犯罪形態が拡大し、半グレと呼ばれる集団も急速に多様化しました。

指定暴力団については、現時点で25団体が存在し、警察も一定の情報を把握しています。一方で半グレ集団は、固定的な組織構造を持たず流動的であり、構成員の入れ替わりも激しい事から、実態把握が非常に難しいと言われています。2021年時点では、全国に約80グループ、約4000人が確認されたと警察庁は公表しています。ただ、グループの分裂や再編が頻繁に行われる為、現在は具体的な組織数の公式発表はされていません。

特に近年はSNSを利用した犯罪グループが増加し、特殊詐欺、投資詐欺、ロマンス詐欺の他、闇バイトによる強盗事件等のニュースが、テレビや新聞で連日のように報道されています。このような犯罪で今注目を集めている集団が「匿名・流動型犯罪グループ」、いわゆる「トクリュウ」です。トクリュウの手口である、匿名性の高い通信アプリを使い、実行犯を募集する手法は、従来型の暴力団とは大きく異なります。
こうした組織に属する人の特徴として感じるのは、犯罪への心理的ハードルの低さです。古いヤクザ組織のような厳格な上下関係や長期間の下積みがない為、短期間で利益を得られる感覚で犯罪に関与する若者も少なくありません。

当社で実施した採用調査(バックグラウンドチェック)では、特殊詐欺の受け子としての逮捕歴を持つ採用候補者が判明した事がありました。当該人物は首謀者ではなかったので、実名の報道はされていません。もし、バックグラウンドチェックをしていなければ、事実を知らぬまま、何らかのリスクを抱えた状態で採用を進めていた可能性もあったでしょう。
また、大手の企業評価レポートで一定の評価を得ていた会社の反社会勢力関与調査を行った結果、経営者周辺に指定暴力団員や半グレが確認された例もありました。別の反社会勢力関与調査では、企業代表者の親が指定暴力団のトップだった事もあります。

もちろん、調査会社による企業調査や反社チェック(反社会勢力関与調査)を行ったとしても、全ての問題が完全に判明する訳ではありません。
半グレやトクリュウのような流動的な組織については、昨日まで問題が見えなかった人物が、後に事件で名前が公表される事もあります。ただ、それでも事前に調査を行う事の意味は大きいです。少なくとも、何もせずに契約や採用を進めるよりは、リスクを減らす事につながります。

最近はAIやデータ分析技術を活用した情報収集も進んでいます。ただ、最終的にはAIによる情報だけでなく、聞き込みで得た複数の情報も含めて精査し、総合的に判断する必要があります。表面的な検索だけでは判断できない情報や人間関係、トラブルの有無等は、現場での聞き取りだからこそ判る場合があります。

企業活動において、新規取引、採用選考、業務提携、M&A等、人を信用して判断しなければならない場面は数多く存在します。
その際、事前の与信調査や信用調査、反社チェック(反社会勢力関与調査)といったコンプライアンスチェックを行い、問題の有無を確認する事は、企業にとって安心材料になります。

半グレやトクリュウなどといった新しい反社会的勢力は、今後も形を変えながら社会に入り込んでくると思われます。反社会勢力との関係が発覚した場合、大きなマイナスが生じる事は確実です。取引先や社会からは、反社活動を助長した企業と見なされる場合もあり、企業イメージが失墜し、取引停止、金融機関からの融資停止等、深刻な影響を受ける事があります。
調査で全てを見抜けるとは申しません。それでも、企業を守る為には、事前に情報を確認し、リスクを把握しようとする姿勢は重要です。調査とは、安全な取引環境を整え、健全経営を維持する為の重要な予防策の一つだと私は考えます。

新規取引開始前や、求人応募者の採用検討時に違和感を覚える前に、お問い合わせをお待ちしております